【BOOK】オフショア 第四号
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<もくじ>
■中原楽インタビュー「音響エンジニアが見るアジア、次代につなぐ現場環境」
■愛国のヒーロー、占いにハマる。―詩から読む文天祥と占い師の交流(村田真由)
■サウナと写真の中の『テルマ&ルイーズ』たち(仲宗根香織)
■連載・第四回 台湾における市民による地下メディア実践と民主化との関係―1990年代の台湾の地下ラジオ運動を軸として もぐりのアマチュア無線「香腸族」 (和田敬)
■スリランカを巡る記憶の旅(バーヌ)
■WOOTACCインタビュー「満足できる作品をつくったら、やめます」
■帰化、離婚、大統領選挙―インドネシア人として生きる(武部洋子)
■ミュージシャンと住民票―第四号まで発行してみてどうなのか(山本佳奈子)
表紙写真:李剣鴻(リー・ジエンホン)
ロゴ・表紙デザイン:三宅 彩
<表紙は、タコ>
中国北京を拠点に活動しているギタリストで写真家の李剣鴻(Li JianHong)の写真を使わせていただきました。ギタリストとしては大友良英さんとの共演もあり、フィードバックノイズを自在に操ります。また写真家としては、中国のもっとも著名な写真ギャラリー「三影堂」での入賞歴も。
<読みどころ>
机上にとどまらない、実践者が紡ぐアジア。8本のエッセイや論考が詰まったアンソロジーです。
■中原楽インタビュー「音響エンジニアが見るアジア、次代につなぐ現場環境」
中原楽さんは、フジロックのピラミッドガーデンやチェルフィッチュ作品で音響デザインを担当されていて、近年、特にアジアでの現場経験が多い音響技術者です。海外へ赴き舞台公演や音楽公演を行う際、文化や習慣、仕事への姿勢の違いなどと、どのように向き合っているのか。日本からのチームが日本以外のアジアで仕事をする際に陥りがちな無意識の「上から目線」についても話が及んでおります。また、世界各地の舞台業界において、まだまだ女性の存在が珍しがられるという話も。
■村田真由「愛国のヒーロー、占いにハマる。―詩から読む文天祥と占い師の交流」
『翻訳文学紀行Ⅴ』(ことばのたび社)にも文天祥作品の訳を寄せられていた村田真由さん。オフショアでは、「現代人となーんにも変わらない」ような文天祥の一面を描き出してくださっています。こんな漢文の授業だったらよかったのに!!!
■仲宗根香織「サウナと写真の中の『テルマ&ルイーズ』たち」
沖縄と東京の2拠点で活動する写真家の仲宗根香織さん。ずいぶん前から故郷の沖縄で雑誌『las barcas』をご自身で発行されています。2023年には写真集『Tempolarity』を発行。仲宗根さんには、「那覇のサウナ」と映画『テルマ&ルイーズ』が、湯気の向こうでぼんやりと重なるエッセイを寄せていただきました♨️
■和田敬「台湾における市民による地下メディア実践と民主化との関係―もぐりのアマチュア無線「香腸族」」
第1号から続く、和田敬さんによる論考の第4回。今回は、台湾のアマチュア無線実践者を眺めながら、台湾で実践者どうしがいかに連帯し、市民意識を醸成し、アクティビズムに至ったのかを探ります。地下で活動が発展する土壌が、台湾ではどうつくられてきたのか? 日本との比較が超!重要!です。
■バーヌ「スリランカを巡る記憶の旅」
ZINE『ケイン樹里安にふれる』の編者であるバーヌさんには、時代を隔てたスリランカへの家族旅行、幼少期の津波災害の記憶などをベースに、スリランカ現地の社会と情勢が臨場感と緊張感をもってみえてくるエッセイを寄せていただきました。マイクロアグレッションとは何か。当事者からのメッセージも。
■WOOTACCインタビュー「満足できる作品をつくったら、やめます」
中国と北朝鮮の境にある、中国延辺朝鮮族自治州出身の朝鮮族ラッパーWootaccへインタビューしました。キャリアはすでに四半世紀ということで、「重鎮」だけれど、中国国内でもほとんど知られていません。単刀直入に聞いた「どうしてアンダーグラウンドにいるんですか?(今の中国のラップブームなら、売れたいと思えば売れるでしょう?)」という質問への潔い回答、ぜひ読んでほしいです。
「聞き手の後日譚」として、オフショア編集長・山本による解説も。アジアの〝ラップスター〟を斬る「Sadge」という楽曲批評、そして「中国といえば漢民族」になってしまっていた自身への反省も綴っております…。
■武部洋子「帰化、離婚、大統領選挙―インドネシア人として生きる」
『旅の指さし会話帳 インドネシア』著者であり『現代インドネシアを知るための60章』(明石書店)ではファッションやポピュラーカルチャーの部分を執筆された武部洋子さん。「ジャワのロック音楽やポップス、ファッションやカルチャーは武部さんに訊け!」というようなお方です。(そしてTwitterのユーモアにもご注目!)
インドネシアに帰化されたときのエピソード(ミクシィ日記からの思い出しが含まれているのもアツい!)と、今年のインドネシア大統領選を絡めたエッセイを書いていただきました。とても勇気の出るエッセイです。
■山本佳奈子「ミュージシャンと住民票―第四号まで発行してみてどうなのか」
編集長・発行人の私(山本)、初めてオフショアにエッセイ書かせていただきました! 10年前の那覇、ステージで聞いたミュージシャンのとある強烈な発言を起点に、沖縄を考えながら、第4号まで出してきて正直なところどうなのかを書いています。後味が少々悪いと思いますが、自分の文化的な仕事がどのように社会と交わるのか、真剣に考えていきたいです。
モノクロ
四六判
並製本
198ページ
< バックナンバー>
オフショア第三号
https://twelvekyoto.thebase.in/items/77897728
オフショア第二号
https://twelvekyoto.thebase.in/items/72767366
オフショア第一号
https://twelvekyoto.thebase.in/items/65579700
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